【おすすめ】俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです | 小説 書評 ライトノベル
ネタバレはしない / 魅力のみを伝える
いつものように紹介の趣旨から。
一言だけです。
僕は基本的にネタバレを好みません。
・小説
・マンガ
・映画
・ビジネス書
・指南書
どんなジャンルの創作物でもすべてが作者様含めて多くの方々の努力のたまもの。
そういった創作物(エッセンス)を断片的に切り取って語って良いものではない。
そう考える人間です。
とは言え面白い本は一緒に共有したいし語り合いたい――。
なので「ネタバレなしのご紹介」という方法を取らせて下さい。
「この本面白そうだな~!!」
と思って貰えるように頑張ります。
よろしくどうぞ~っ
俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです
物騒なタイトルですよね 笑
そして、そのタイトルに違わない――あるいはそれ以上にぶっ飛んだ作品です。
僕は本書の大ファンです。
新刊が発売されたらその日に買うくらいには続きを楽しみにしていますね。
本作品は「小説家になろう」に原作が掲載されているweb発の書籍化作品。
web発の作品は最近だと珍しくないですよね。
本書は一応その中では「学園モノ」と呼ばれるジャンルの作品に当たるでしょう。
ただし、面白さの本質は基本的に学外にある――というか人間模様にあるという感じ。
なんでここまで壊れちまったんだ――……。
と、しかし事情を知れば知るほどに「なるほどな~……」となる本作。
王道のテンプレートとは違うものの明らかに異次元の魅力を放つ小説です。
詳しく見て行きましょう。
主人公が壊れている / 究極的なすれ違いの末路
本作の主人公の九重雪兎は「強靱なメンタルを誇る(壊れた)男子生徒」です。
彼の持つ異様さ加減は1巻の冒頭を読めばすぐにでも分かることでしょう。
どう言いつくろっても平凡な人間の要素は一欠片もない。
昨今の現代モノに多い「平凡な主人公が――」という構図とは真逆と言えるでしょうか。
(見た目は割と平凡なんですけどね)
主人公の雪兎の運があまりにも悪すぎる(主に女難の相が出ている)
どうしてこうまで上手く行かないんだ?? と言いたくなるほどにボタンが掛け違う。
好意が裏目に出るわ気遣いや思いやりが裏目に出るわ、あれよあれよと。
この作品を書いている御堂ユラギ先生の手腕が凄いと言うか――。
確かにシリアスな場面もシーンも多いのですが読者をモヤモヤさせないのです。
創作者視点から見ると本当に凄いこと。
シリアスと笑いって共存させるのが難しいはずですからね。
シリアスなのに小ボケや小ネタ(時事ネタ・オマージュ)が盛り込まれていて深刻になりすぎないという点が素晴らしい。
2024年11月29日時点で5巻まで発売されていますが物語がダレないということからも素晴らしさが伝わるでしょうか。
続き物ってこの辺りくらいから多少の迷走期に入りがちなんですけどね――……。
続きが気になりすぎて仕方がないですよ。
異次元の魅力を放つ本作
もう十分にこの段階で異次元な要素盛りだくさんなんですけどね 笑
あえて付け加えるならヒロインたちの存在。
九重雪兎を想い慕うヒロインたちも個性的で――彼女たちも何処か異質である。
壊れた彼に当てられた形で彼女たちもまた普通に非ず。
彼本人もそれを自覚していて「どうしたものか――……」と足掻く姿も印象的。
本ッ当にすべてが裏目に出る――上手く回らないのが本作の特徴ですね。
全体を通して僕が凄いな~と思うのは基本的に悪人が居ないということ。
それなのに悪い結果に繋がってしまうという不思議と言うか皮肉と言うか。
物語の中に絶対悪の存在がない。
良い人たちがこの世界の中で悩みながら苦しんだり――その果てに救いの手を差し伸べられたり。
本当に不思議な魅力を放つ作品だな~っと思います。
個人的な話として
僕は本作の主人公の持つ心情や環境に共感を示す側の人間
です。
この辺りは読者の方の経験や立場によって色々と見方があるのではないでしょうか?
彼の壊れ方には僕自身にも
「ああ。そうだよな~……」
と思える部分があったりします。
自己投影をしながら「ああでもない。こうでもない」を楽しむのも一興でしょう。
シリアスかつ笑いがあるぶっ飛んだ生き様。
九重雪兎は何処へ向かって行くのか?
是非、お楽しみ下さいね。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は『俺にトラウマを与えた女子達がチラチラ見てくるけど、残念ですが手遅れです』をご紹介しました。
とんでもない作品がweb小説から現れたな~っといった印象です。
王道の学園ラブコメとは違う――。
異質な人間模様のドラマを是非お楽しみ下さい。
イラストレーターの緜先生が描く彼らの姿も大変に魅力的。
相乗効果でとんでもない作品に仕上がっていると思いますよ。
おすすめです。
是非、お手に取ってみて下さいな。
ご精読ありがとうございましたっ。
ではではー!!