【解説】小説の五感を描くってどういうこと? | 情緒と文章の深みを豊かにする

小説で「五感を描け」と言われる理由
様々な小説の指南書の中では
五感を描くようにしてみて下さい
という記載があると思います。
「五感を描く……??」
ちょっと抽象的で掴みづらい印象がありますよね。
ですが、難しく捉えることはありません。
要するに、
・視覚(見た目)
・聴覚(音)
・触覚(柔らかい? 硬い?)
・味覚(甘い? 辛い?)
・嗅覚(香り)
こうした日常的な要素を文章の中で描くようにすると良いのです。
五感を描いていない文章は「薄っぺらい」という印象を与えてしまいます。
【例文】
今日の朝食はご飯と焼き魚と目玉焼き。
「美味しい」
僕は頷いた。
コレは悪い例ですね。
ただの事実の羅列であって「味気ない」という印象は拭えないでしょう。
五感を描いてみよう / メリット
実際のところでどうするのが良いのでしょうか?
先ほどの悪い例を見てみましょう。
【例文 / 悪い例】
今日の朝食はご飯と焼き魚と目玉焼き。
「うん。美味しい」
僕は頷いた。
この文章の中で足りていない要素はリアリティです。
朝食の味はどうだったのか?
匂いは? 見た目は? 作られてどのくらい経ったのか?
こういった要素を効果的に描く技術が「五感を描く」ということなのです。
ご飯を食べるという行為には様々な感覚を駆使しているもの。
こうした要素を描くようにしましょう。
技術不足で恐縮ですが僕のやり方で例文を手直ししてみました。
こんな感じです。
【例文 / 修正後】
母が作ってくれた朝食はシンプルながらとても美味しそうだった。
あつあつのご飯に香ばしい色の焼き魚――とても食欲がそそられる。
目玉焼きも形が崩れておらず母の料理技術の高さがうかがえる。
正に『お袋の味』と表現すべきものだろう。
「うん。美味しい」
焼き魚を口に運び、鼻に抜ける焼いた香りに満足する。
僕の言葉に母も満足したようで、優しい笑みを僕に向けて浮かべている。
今日もいつもと変わらない――とても穏やかな朝だった。
サクッと作った文章なのでクオリティには目をつぶって下さい。
こんな感じで五感を描くことで、
・立体感を描ける(リアリティ)
・没入感を得られる
・文章量を増やせる
こんな感じのメリットがあります。
参考にしてみて下さいね。
五感を描く場合の注意点 / デメリット
五感を描くことで、
・リアリティが出る
・没入感
・文章量が増える
というメリットがあるとお伝えしましたが「文章量」はメリット&デメリットと言った感じです。
要するに丁寧に描きすぎることで「蛇足」という感が出てしまう訳ですね。
(蛇足=余計な付け足し)
先ほど僕が書き直した文章も「やや描写が過剰」という要素は否めません。
余計な文章が多いと読者の方は萎えてしまうという可能性もありますよね。
「脇道の逸れすぎてうっとうしい……」
という感想を持たれてしまったら「本を閉じる」という可能性もあるでしょう。
どの程度の五感を描けば良いのか??
ここは個人差がありますし作家としての個性でもあります。
試行錯誤をしながら自分にとって良い加減という部分を探してみて下さい。
万人に共通する最善な加減は存在しない
ココを忘れないように自分で色々と試してみて下さいね。
ソレが貴方が持つ作家としての味になるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は「五感を描くってどういうこと?」をテーマに記事を書いてみました。
結論として、
文章の中で視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚を描いてみる
ということ。
そして、
【メリット】
・立体感を描ける(リアリティ)
・没入感を得られる
・文章量を増やせる
【デメリット / 注意点】
・安易に文章量を増やし過ぎない
・蛇足に注意
・バランス感が大事
全体の雑感としてはこんな感じですね。
小説を書く上で必須級の技術である「五感を描く」というこのスキル。
是非、ご自分の中で自由に扱えるツールになるよう訓練をしてみて下さいね。
参考になったなら幸いです。
ご精読ありがとうございましたっ。
ではではー!!