【解説】70年代のあの音を奏でるポジションにピックアップがある | Sire V8

SireのV8とV7は外観が(比較的に)似ている
Sireはマーカス・ミラー氏が監修を務めたベースとして有名ですよね。
メーカーが持つ強みとして、
① マーカス・ミラー色が強いハイクオリティ
② 価格以上の価値を提供する / コストパフォーマンス
③ 市場での勢いが強い
という訳で最近のトレンドの1つと化している訳です。
ジャズベース、プレシジョンベース、最近はミュージックマン系も出しましたね。
今回はその中からSireの主軸であるジャズベースにフォーカスします。
Sireの中には、
【Sire / V7 Ash 4st Reissue】
【Sire / V8 Ash 4st】
こんな感じで割と似ているような2本があったりします。
コレ、なにが違うと思いますか??
僕も気になって色々と調べたのですが、
リアピックアップの位置が60年代か(V7)70年代か(V8)

という点が大きな違いだと思います。
(その他にもV8はネックがローステッドメイプルになっているなど違いはありますね)
サウンドに関わる重要な違いだと思いますよ。
詳しく解説していきましょうね。
Sire V8 / スペック
基本的なスタイルは伝統的なジャズベースタイプをモチーフとしています。
ブロックインレイなどルックスに関しては明らかに70年代を意識していますね。
【Sire / V8 Ash 4st】
Sireの中では高級に分類される上位機種ですね。
アッシュボディという枯渇気味で希少になりつつある木材を使用していることも大きな要因かと。
ネックと指板はローステッドメイプルですね。
この辺りはマーカスっぽくない外観の印象を与えるのではないでしょうか??
正直に言ってSireのネックは普通の白いメイプルが良いな~……

と、僕は思ってしまいます。
どうしてもマーカス・ミラーのあのベース(カラー)が頭から離れないので。
ナチュラルアッシュボディ・メイプルネック・ブラックピックガード・ピックアップフェンスは欲しくなってしまいますよね。
そうは言ってもサウンド面ではローステッドメイプルは「枯れ感」があって良いのです。
ネックの剛性も高いので反りにも強いですね。
実用的な面を考えると今のV8のスタイルは理にかなっています。
積んでいるプリアンプは3BandEQでいつものMarcus Heritage-3 with Middle Frequency Control――この辺りは価格帯にかかわらずと言ったところでしょう。
Sireらしい定評のあるアクティブベースです。
そして、ある意味マーカスっぽさの要となるピックアップ。
使用しているピックアップ自体はMarcus Super J Revolution SetとV7同様です。
が、
(with 70′ pickup Spacing)
という言葉が後に続いています。
コレ、要するに「70年代のピックアップ位置に取り付けていますよ」ということなのです。

コチラの記事でも触れていますが70年代のリアピックアップの位置はブリッジ側に1センチほど寄っています。
コレによってサウンドが硬くなるという傾向があるのです。
スラッパーに向いているという所以でしょうかね。
なので僕はスラップするならV8が良いと思っている訳なのです。

V7とV8のカタログ上の違いを比較しよう
以上の要素を踏まえた上で僕が持っている情報の中からV7(1つ下の機種)とV8のスペックやスタイルを比較してみましょう。
こっちがV7で、
【Sire / V7 Ash 4st Reissue】
こっちがV8ですね。
【Sire / V8 Ash 4st】
ネックがローステッドという点以外は本当に外観上の違いがないです。
仕様書の中身はどうなっているのか??
表を作って比較してみましょうね。
コチラをどうぞ~っ。
Sire V8 Ash 4st | Sire V7 Ash 4st Reissue |
---|---|
市場価格:130000円~ | 市場価格:130000円~ |
ボディ材:Swamp Ash | ボディ材:Swamp Ash |
ネック材:Roasted Hard Maple (Satin Finish) | ネック材:Hard Maple |
指板材:Roasted Hard Maple, Edgeless™ (Rolled Fretboard Edges)s | 指板材:Hard Maple Edgeless™ (Rolled Fretboard Edges) |
Pickups: Marcus Super J Revolution Set (with 70′ pickup Spacing) | Pickups:Marcus Super-J Revolution Set |
P.U.配置:70年代 | P.U配置:60年代(恐らく?) |
Bridge:New Marcus Heavymass II Bridge | Bridge:New Marcus Heavymass II Bridge |
Preamp: Marcus Heritage-3 with Middle Frequency Control | Preamp:Marcus Heritage-3 with Middle Frequency Control |
こうしてバンッと情報を眺めてみるとやっぱりこの結論で落ち着きそうです。
ネック材とピックアップ位置以外の違いは明確にない

ですが、70年代特有の硬いサウンドはリアピックアップの位置で決まる感があります。
ちゃんと70年代の位置にリアを置いている――そこに僕は好感を持っていますね。
加えてヴィンテージテイストなサウンドを奏でるローステッドメイプルも味になります。
ちゃんと差額分、いや、差額分以上の価値はあるのですよ。
マーカスっぽさ(スラッパーらしさ)を求めるならV8を買った方が良いと思います。
V7を買うならアルダーボディの方がバランスも良いし安く済ませられます。
【Sire / V7 Alder 4st 2nd Generation】
アッシュなら70年代に振り切ったV8が候補として強い。
オールラウンダーならアルダー(V7)の全音域で完成されたバランス感がとても良い。
いちベーシストの意見として参考にしてみて下さいね。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は「Sire V8 Ash 4st」をテーマに記事を書いてみました。
総評として、
① 混じりっけのない70年代のジャズベース
② アッシュ+メイプルのドンズバスタイル
③ 硬い音でスラッパー大好き
こうした印象がとても強いです。
僕も基本的にはスラップ大好きっ子なので70年代が大好物。
なので、V7よりはV8を推したいな~っと思う次第。
後は個人のスタイルと相談ですね。
導入の検討をしてみて下さい。
ご精読ありがとうございましたっ。
ではではー!!