【紹介】web小説投稿サイトおすすめ 3選 | メリット・デメリットを解説 | 小説家になろう カクヨム アルファポリス
最初は投稿するサイトを1つに絞ろう
今回僕がご紹介するサイトは「複数サイトに掲載すること」を禁止していません。
概要欄(あらすじ)などに「複数サイトに投稿している」という旨の記載をすれば問題がないとされています。
当然ながら複数サイトに掲載をすれば「新着投稿」などの部分から読者の方が流入する可能性は増える――そう考えちゃいますよね?
特に最初期の頃は読者の方の反応が欲しくて仕方がない――当然のことです。
ですが、そこで少しだけ待って考えて欲しいのです。
貴方はいったいなにが目的で小説を投稿しようと考えているのか?
自分の作品の内容の充実よりも読者の方の反応が欲しい――。
そうした一時しのぎの対応は結果としてコンテンツの質の低下を招いてしまいます。
特に初心者の方はまだこの段階で投稿作業というものに不慣れです。
最初期の段階は複数サイトでの投稿をおすすめしない
web小説投稿サイトに小説を掲載するのは単純なように見えて結構な労力を伴います。
最近は統一されていますが、各サイトごとに細かなルール(ルビの振り方・投稿画面の仕様・etc…)が異なっていたりするのです。
単純に原文(ワードや一太郎)などから貼り付けて終了という訳ではありません。
web小説特有の文化――暗黙のルール的なものもありますね。
改行を多くして行と行の間には空白を入れるなどがそれに該当します。
公募での書籍化を目指しているとそのルールの違いに驚きを覚えるかも知れません。
横に文字が伸びるweb媒体故の配慮とも言えるでしょう。
そうした様々なことに振り回された結果
執筆 < 掲載作業(+サイト管理)
という形になってしまっては本末転倒ですね。
なにを隠そう僕自身がそうでした。
まずは執筆に集中して投稿・完結を目標にしましょう。
そういう意味でも1つのサイトに絞るのは有効な手立てだと思います。
web小説投稿サイトには特色がある
僕が知っている限りでweb小説投稿サイトには
・読者側のニーズが強いジャンル
・読者の獲得方法
・作者の収益性の有無
という点で仕様の違いがあると思っています。
特に一番下の「作者の収益性の有無」はある意味で創作活動の在り方を左右するとも言えるでしょう。
当然ながらそのためには読者の方を獲得する必要がある訳です。
趣味ではなくプロ作家を目指しながら――
・読者の方に読んで貰えず
・ブックマークや評価も一切付かずに
・収益性もなく自分の時間だけが浪費される
という状況が延々と続いていたら作家としての心が折れますよね。
サイトの傾向や特色を知っておくことで最低限のゼロを回避する。
その可能性を見出すことができます。
先に断っておきますとweb小説は基本的にサービス業(商売)です。
自分がビジネスを行っている感覚でないと合理的かつ効率的に読者の方を獲得するのは難しいのではないか――と経験談的には思っています。
僕はweb小説作家として大きな花を咲かすことはできなかった。
読者の方のニーズを無視して自分の感性を(独善的に)徹底的に貫いた結果ですね。
僕みたいな思考を持った作家はweb小説という界隈で成功するのは難しいです。
こういう失敗をしないで欲しいな~っと僕は先駆者として思う訳です。
正しく商売をするための前知識として市場を知っておいて欲しい。
特色や傾向を知るという行為にはそういった意味や価値があるのです。
小説家になろう
言わずと知れた最大手のweb小説投稿サイトです。
作者さんも読者さんも無料で利用できるという点がサイトとしての根幹を支えている要素でしょう。
読者も作者も圧倒的に数が多い――。
そんなサイトのジャンルの傾向としてはハイファンタジーが圧倒的に強い。
現実恋愛も最近は上がってきている印象でしょうか。
なろう系とすら呼ばれるジャンルと化したテンプレート(お決まり)の物語が鉄板となっていますね。
ここを外した時点でなろう系を愛して止まない読者の方々を手放している――とも言えるかも知れませんね。
そのくらいになろう系のハイファンタジーは読者層が強いのです。
長年続いているメガトレンドと言えるでしょう。
逆に言えばここを学んでキチッと守ればある程度の読者流入は期待できるということ。
なろう系がしっかり書ける(書きたいという気持ちが強い!!)という方は非常に相性が良いと思います。
・トレンドやニーズをキッチリ掴む
・一定以上の文章力&構成力
・投稿し続ける気力
この要素が揃った上で人気ジャンルで日間ランキングに食い込むことができれば着実に成果は出るでしょう。
週間ランキングや月間・四半期・年間とランキングに食い込めれば書籍化も夢ではありません。
サイト自体の大きな強みとして頻繁に書籍化に通じたコンテストを他社と提携して行っていることが挙げられます。
書籍化への道は一番に現実的とも言えるかも知れません。
その強みがそのまま弱点と化している――と言えましょうか。
メガトレンドと化している「なろう系」以外に読者のニーズが極めて少ない。
読者のニーズが極めて偏っているのです。
簡単なたとえ話として「日本一のラーメン超激戦区」だと捉えて下さい。
・読者の方はまずラーメンを求めてその場に足を向けている
・その中でもメガトレンドは定番にして王道の安心感
・読者の方々は毎日のようにそれを味わって生きている
こういった場所に奇抜な創作料理を持って行って出店しても見向きもされないですよね?
ここは注意すべきだと僕は考えます。
僕と同じ失敗・苦しみ・あがきは――あまりして欲しくないですね。
後は別の問題として
サイト自体に作者の方への収益性がない
という点が挙げられます。
一昔前だったら普通のことだった――という話ですね。
と言うよりも小説家になろうはweb小説投稿サイトの開拓者にして先駆者ですからね。
後発サービスの方でサイト側が作者に広告収益を還元するという動きを見せ始めた。
それだけの話なのですね。
ただし、相違点という意味で言えば明確に他サイトの方が作者の方への金銭的な収益に繋がっているという事実。
無視はできないでしょう。
サイトの規模や読者の方の数も含めて依然として最強のサイトであることは疑いようがないですけどね。
・なろう系が書きたい(苦労なく書ける)
・書籍化を目指したい
という作者さんには無難にしてマストな選択だと言えるでしょう。
おすすめですよ。
↑小説家になろう発の作品。アニメ化なども含めて知名度が抜群な名作です。
カクヨム
あの大手出版社KADOKAWAが運営するweb小説投稿サイトです。
作者も読者も基本無料で利用出来ます。
課金サービス限定の作者の方による有料コンテンツがある――と言ったささやかなもの。
読みたい方は課金サービスを利用するといった手はずになっていますね。
強いジャンルの傾向としてはハイファンタジーと現実恋愛が半々と言った具合です。
僕個人の感想で言うなら現実恋愛の方が強いかな~っといった印象。
とは言えweb小説界隈全体でハイファンタジーは鉄板なので。
どっちも十分に強いと言えます。
KADOKAWAが提供するサービスだけあって
・綺麗なデザインのサイト
・KADOKAWAに準じたコンテストが豊富
という印象がありますね。
小説家になろうと明確に異なる点が
・小説の閲覧数に対して収益が入る仕組みがある
・読者を獲得するのに受動的・能動的の双方を求められる
「収益」に関する話はメリットとデメリットが極めて明白です。
カクヨムの収益はPVに応じた(厳密にはもっと複雑ですが)歩合制となっています。
出来る人は稼げるし出来ない人は稼げない。
この部分は――まぁ、当然と言えば当然でしょうね~と。
問題はこっちの方。
・カクヨムリワード(要するにお金)は12ヶ月で失効する
・現金化できるのは3000円から
・Amazonギフト券に換金できるのは500円から ←後に追加された
僕が本格的に活動していた頃はAmazonギフト券への交換ルートがなくて3000円が最低ラインでした。
その基準に満たない収益は失効して消えるしかない。
後にAmazonギフト券の交換が追加されて500円からになりました。
ちなみにこの500円もちゃんと考えて作品を投稿しないと達成するのは難しいでしょう。
初心者の方は1作品か2作品の連載になると思うので――ジャンルを選ばないと無理かなと思います。
この辺りはYouTubeなどのコンテンツを想像して貰うと分かりやすいのですが――収益性はコンテンツの数と質に比例します。
ストック型ビジネスという形ですね。
この辺りの話は趣旨と違うのでまた別の機会に。
カクヨムでは読者を獲得するのに受動的・能動的の双方を求められる
この件に関しては一概にすべてがそうとは言い切れません。
ですがカクヨムの中には「自主企画」という作者が主体的に開催する集い――そういった形式が公式の中で存在します。
示し合わせての相互評価はどのサイトも厳禁の行為(アカウント停止レベルの違反)
カクヨムも当然ながら同様の措置があります。
ですが相互評価はNGとしながらも読み合うという行為は推奨している――と思います。
そうでなければ「自主企画」という存在の意義が不明瞭になってしまいますし。
要するに、カクヨムにおいては作者側が能動的に読者を獲得する行動を取れるのです。
この部分における是か非かは――恐らく答えがないでしょう。
「作者同士で群れて媚び合ってないで作品作りに集中した方が良いんじゃない?」
これも1つの意見です。
「俺たち作者同士は力が弱い。だから一緒に集まって困難を乗り越えるための行動だ」
これもまた1つの意見として正しい。
答えがありません。
明確なのは機能としてそこにあるという事実のみです。
使うかどうかは作者の方の判断次第でしょう。
ちなみにカクヨムにおいてもランキングは重要視される要素です。
ですが
自主企画同士の評価はランキングに反映されない
という形を取っているので結局は純粋に積み上げた評価でランキングを上げるしかないのです。
加えて言うと
カクヨムの新着小説欄は目立たない上に数分程度で消える
ので新着小説欄での読者さん流入は期待できないでしょう。
あらすじやタイトルで読者さんを掴む。
作品の内容で読者さんを逃さない。
市場を把握してクオリティを徹底して上げる以外に根本的な成り上がりへの道はないと思います。
収益の可能性があるというだけでもモチベーションには繋がりますからね。
おすすめできるサイトだと思います。
↑カクヨム発の作品です。やっぱり現実恋愛のイメージが強いですね。
アルファポリス
株式会社アルファポリスが運営する公式のwebコンテンツ投稿サイトです。
小説のみならずマンガなど幅広いエンターテインメント作品を投稿できるサイトですね。
投稿は無料。
閲覧は一部の有料作品(書籍化した部分)を除いて無料で読めます。
ジャンルの傾向としては女性向けの恋愛ものが強いかな~? という印象でしょうか。
web小説界隈全体の例に溺れずハイファンタジーも順当に強い。
スローライフ系が目立つ印象でしょうか?
株式会社アルファポリスという母体がしっかりしている都合でアルファポリス独自のコンテストが頻繁に行われている印象ですね。
web小説だけで年間ほぼ毎月のようになにかしらのコンテストを行っているような感じ。
懸念点を挙げるとすれば独自性が強いので他社との繋がりが薄いことでしょうか。
また、1つの注意点として
書籍化したら掲載作品は基本的に取り下げる方針
だということ。
例えば複数サイトで投稿していて小説家になろうで書籍化が決まったとしたらアルファポリスからは確実に小説を取り下げなければならない。
商業的な側面が絡む故に当然の措置――とも言えるでしょう。
むしろ書籍化した作品がwebでもIFルートとして掲載されているサイトが変わっているな~っと僕は思っていたくらいです。
書籍化作品に繋げるための広告として掲載しているという意味合いもあるのでしょうね。
どちらが良いかは正直僕には分からないです(商業的なお話なので)
そして、忘れてはいけないのが――
アルファポリスはカクヨムと同様に作者の収益性に富むサイト
ということ。
「作品の掲載に際した広告収入は100%作者に還元する!!」
というトンデモ仕様を取っているくらいですからね。
非商業→商業化という循環がよほど上手く回っているのでしょう。
そこで採算が取れているからこのやり方が継続しているのだと思います。
なんにせよ作者側としては大変にありがたい。
加えて
・100円からAmazonギフト券に換金可能
・入ってくる金額はカクヨムよりも多いかな~??(という印象)
・失効の期限はカクヨムと同様
という感じ。
投稿作品に対する在り方も他のサイトとは一風変わっていて
・24hポイントという独自のランキング計算システムがある(内情非公開)
・有名作品でも更新がなければランキングが下がる
・新しい作品が強い(新規投稿1ヶ月程度はHOTランキングという別枠がある)
この方式は初心者の方にも良いバックアップになると思います。
初心者だろうと玄人だろうと全員が同じ土台に(一応は)立っている状態。
こつこつと更新し続けることが大切なサイトと言えますね。
努力が着実に成果に繋がる――そんな印象が僕の中にはあります。
僕が初めて作品を投稿したのもアルファポリスでした。
いろいろ渡り歩いた僕ですがなんだかんだで一番安心するのはこのサイトでしょうか。
気をつけたい点は、
アルファポリス単体の掲載だとコンテストがアルファポリスの独自開催のものだけで留まってしまう
ということ。
アルファポリスのみを主軸にして淡々とコンテストに挑戦するのか。
外部のサイトにも掲載をして他のコンテストも視野に入れるのか。
公募も視野に入れてweb小説投稿は趣味と割り切るのか。
ある意味では多様な在り方を取れるサイトとも言えましょう。
ぶっちゃけて言えば初心者の方が挑戦するなら1番におすすめと言えるサイトです。
24hポイントは実は投稿するだけでも上昇する仕組みです(多分1日1回のみ200pt)
内容に限らず投稿しただけで周囲の投稿されていない小説より一歩前へ出られる。
立場にかかわらずチャンスが多いのですよ。
おすすめですね。
↑アルファポリス発の作品。規模が大きい作品もしっかり書籍化されています。
まとめ
いかがでしょうか?
熱が入りすぎて長い記事になってしまいましたが――参考になったら嬉しいです。
僕は様々なスタンス・目的を持つ皆さんの一助になりたい。
その一心で本記事を書き上げました。
唯一想う気持ちは「僕のように苦しいだけの創作をして欲しくない」ということ。
知るということはとても大きな武器となります。
失敗をしないことは難しいにしても致命的な傷跡――挫折を回避することはできるでしょう。
本記事を参考に楽しい創作ライフを送れることを願っています。
ご精読ありがとうございました。
ではではー!!