【おすすめ】NHKにようこそ! | 小説 書評 ライトノベル
ネタバレはしない / 魅力のみを伝える
いつものように紹介の趣旨から。
一言だけです。
僕は基本的にネタバレを好みません。
・小説
・マンガ
・映画
・ビジネス書
・指南書
どんなジャンルの創作物でもすべてが作者様含めて多くの方々の努力のたまもの。
そういった創作物を断片的に切り取って語って良いものではない。
そう考える人間です。
とは言え面白い本は一緒に共有したいし語り合いたい――。
なので「ネタバレなしのご紹介」という方法を取らせて下さい。
「この本面白そうだな~!!」
と思って貰えるように頑張ります。
よろしくどうぞ~っ。
NHKにようこそ!
日本放送協会とは一切の関係がございません。
タイトルのインパクトが強いですよね~。
滝本竜彦先生の名著である「NHKにようこそ!」のご紹介です。
本書はファンタジー要素など一切ない「現代ドラマ」の物語。
・引きこもりが主人公(メインテーマ)
・情緒不安定や心の傷がリアルに描写されている
・作者の先生の体験が随所に垣間見える
あまりにもそのリアル過ぎる現象故に僕にもそれは刺さりました。
人の過去にはそれぞれ色々とあるものです。
僕にも色々とあるもの。
そんな中でも特に本作は心の病や傷を持つ(持っていた)方には刺さると思います。
心の傷で言えば生きている限り誰でも味わう経験でしょう。
大なり小なり多くの方の心に響く名作です。
引きこもることに特化し過ぎた主人公
本作は一応「ボーイ・ミーツ・ガール」という形です。
・主人公は引きこもりで外に出る意思が見えない。
・そこに1人の少女が現れて――彼を突飛な言葉で連れだそうとする。
本作の主軸はそんな2人のやり取りです。
ここだけを聞くと普通の物語に聞こえちゃいますよね?
違います。
本作のもっとも素晴らしい――魅力的な部分は各部におけるそのリアリティです。
主人公の佐藤達広が取る行動や心情の数々があまりにも生々しい。
ついでに言うと結構ヤバい行動を序盤からひたすら繰り返すので「大丈夫か……??」と心配になるほどです。
ブラックジョークと捉えれば「まぁ……」とも言えますが僕的には「急所を貫く」みたいなイメージ。
人間とは追い詰められるとそれに比例して黒歴史を積み上げるもの。
主人公の彼の行動はその黒歴史を惜しみなく放映しているようなものなのです。
創作としても楽しめますし人間模様の観察としても十二分に楽しめます。
オススメポイントですね。
ヒロインにも大きな陰がある
ヒロインの彼女の名は中原岬。
彼女が様々な手段を講じて主人公の佐藤を外へ引っ張りだそう――引きこもりから脱却させようと試みます。
しかし、そんな彼女自身にも大きな陰がある。
ここはネタバレになってしまうので語りませんが――彼女の生い立ちや境遇と佐藤の現状が混ざり合って大きな局面を迎える訳です。
この部分もリアリティが非常に高い。
・どうして彼女が佐藤を選んだのか?
・どうして彼女が佐藤にこだわるのか?
・彼女の最後の選択は?
人間の弱さってこういうものだよな――と、今も昔も思います。
やっぱり本作の魅力はリアリティ。
もっと言えば「弱さのリアリティ」とも表現出来ましょう。
弱さは人に共感を呼び物語を惹き付ける魅力にもなります。
是非読んで貰いたいですね。
最後の結末をご自身の目で確認してみて下さい。
貴方はどのような感想を抱きますか?
「良かったね。この先は大変だけど――。それでも二人には生きていて欲しい」
僕の感想は以上です。
↑興味はあるけど小説が苦手だよ~という方には漫画版もあるので是非どうぞ。
まとめ
いかがでしょうか?
今回は『NHKにようこそ!』をご紹介しました。
古い作品ではありますが今も色あせぬ名作です。
というより人が社会を発展させる以上は永遠に色あせないお話でしょう。
現代であるが故に生まれた本作。
追体験という意味でも一読の価値はあるかと思います。
是非、参考にして下さいね。
ではではー!!