【初心者】Web小説の始め方③|最初の1話で読者の心をつかむ方法

あるある:最初のストーリーを描くのが怖い
前提として①のジャンル選びと②のプロットは完成してあるという体で進めていきます。
ここから先はようやく第一歩目となる制作編に入りましょう。
そして、
1作目を書くのが怖いです / どうしたら良いのか分かりません

こうした質問・疑問等に向き合いながら丁寧に解説をして行きましょう。
Web小説を書こうと決めた瞬間に立ちはだかるのが「第1話」という最強の敵です。
- 何処から書けば良いのか分からない
- 誰にも読まれなかったらどうしよう
こうした不安は誰しもが抱える――僕も当然に抱えていました。
安心して下さい。
第1話に関しては「押さえるべきポイント」を掴んだ70点の完成度でOKです。
創作における大敵の正体は完璧主義ですので。
(完璧主義をこじらせると10年以上も初投稿ができずに歳月を迎えます / 僕です)
大事なのは読者の方に「続きを読みたい」と思う〝仕掛け〟を組み込むこと。
以下に示すように難しい要素は1つもありません。
シンプルです。
① 事件 / なにかが起こる
② 感情 / 主人公の心が揺れる
③ 問い / この先どうなる??
恐怖や抵抗を感じる理由は「先行きが不安だから」です。
ゴールを明確にしてしまえば怖いものなどないでしょう。
安心して1つ目のエピソードを書いてみましょうね。
第1話目の役割とは?? / 読者との邂逅と約束
1話目の役割は端的に述べると「この物語は期待できます!!」と出会った読者に約束を示すこと。
ココに尽きます。
当然ながら読者の方々の時間は(我々と同様に)有限であり、
微妙かも?? / 面白くなさそうだな~……

こう思われた段階で即座にブラウザバックされてしまいます。
実際のところは作者の努力以前に相性の問題もあるので難しいところ。
ただ、可能な限り読者の離脱は防ぎたい――。
こう考えた時に大事になるのが「事件・感情・問い」を1話目でしっかり提示すること。
① 事件 / なにかが起こる
② 感情 / 主人公の心が揺れる
③ 問い / この先どうなる??
軽くAIの方で「3つの要素を満たした異世界転生系のテンプレ展開」を構築してみました。
AIによる制作なのでやや機械的ですが構成の例文としては役に立つことでしょう。
【事件|トラックに引かれて死亡】
雨だった。
信号のない交差点。傘を差した女子高生が、俺の視界に入った。
次の瞬間、トラックが突っ込んできた。
俺は、反射的に彼女を突き飛ばし——
そのまま、轢かれた。
痛みはなかった。
ただ、世界がスッと暗くなった。
【感情|女神との邂逅と半強制的な転生】
目を開けると、そこは白い空間だった。
目の前には、銀髪の女神が立っていた。
その瞳は、どこか哀しげで、どこか退屈そうだった。
「あなたの魂、少しだけ輝いていたわ。だから、拾ってあげたの」
俺は死んだ。
それは確かだった。
でも、彼女は言う。
「この世界じゃ、もう役に立たないでしょう?
だから、別の世界に送ってあげる。魔法と剣の世界よ。
あなたには“適性”があるみたいだから」
俺の意思は、ほとんど問われなかった。
転生は、決定事項だった。
【問い|異文化の世界で、俺はどうなる?】
気づけば、俺は森の中に立っていた。
空は紫がかっていて、見たことのない鳥が鳴いている。
服も、体も、少し違う。
ポケットには、女神から渡された小さな石が入っていた。
「この世界で生きて。どうなるかは、あなた次第よ」
右も左も分からない。
言葉も、文化も、常識も違う。
俺は、何者として生きるのか?
この世界で、俺は——どうなる??
僕もザッと読んでみましたが「~た。~た」で終わっていること以外は使えそうな展開ですね。
完ッ全に余談ですがこの内容は僕の方からAIに提示をして作って貰っています。

AIって便利ですね~ 笑
読者を引き込む3つの要素 / 事件・感情・問い
再三に渡って書いてあるように1話目には事件・感情・問いの3つをすべて提示する必要があります。
極めて重要な要素なので1つ1つ丁寧に解説して行きましょう。
① 事件 / なにかが起こる
僕は名著『ベストセラー小説の書き方』からインスピレーションを受けている側の人間です。
この本の中で「アクション・アクション・アクション」という繰り返しで語られている箇所があります。
ソレだけ小説にとってアクションという要素は欠かせないのです。
1話目にずらーっと設定や説明の文章が並んでいて読みたいと思うかどうか――。
なので1つ目の要素はアクションということになりますね。
なろう系におけるテンプレは事件=転生や転移(死亡か召喚か)みたいな定番があると思っています。
コレは実に合理的な事件の導入として広く活用されていますよ。
書籍化した異世界系小説の1話目を見るとほぼ確実に最初にこの要素が入っています。
実に優秀なので上記の例と併せて活用してみると良いでしょう。
② 感情 / 主人公の心が揺れる
ココに関しては主人公の感情の揺れ動きによって読者の共感を引き寄せるフェーズです。
上記の例で言えば、
死んだハズの自分が謎の白い空間(新界)に居た
強烈な違和感と不思議が主人公の心を揺さぶるという訳ですね。
死後の世界――だが、なにかがおかしい。
現れた女神も一方的で取り付く島もない。
しかもトントン拍子で「異世界転生」まで決められてしまう。
- 死後の世界があるという驚き
- 女神がいるという不可思議
- 転生という非科学的な現象の現実性
こうしたすべての要素に困惑する主人公の姿によって読者とのシンクロを呼び起こします。
「そりゃ、確かに困惑するよな~……」
共感の1つはこんな言葉かも知れません。
こういった心の揺れ動きが「続きを読みたい!!」というエモーショナルにも繋がるという訳です。
③ 問い / この先どうなる??
上記の例で言うところの異世界転生直後の「どうすんの??(どうなんの??)」という状況が該当しますね。
転生前の常識も言葉も文化も通用しない――。
そんな世界で主人公はどう生きていくのか??
この部分から「先がどうなるのか」という部分に引きを持たせて読者の興味をそそります。
大体、
- スキルの効果で言語が通じる状態になっていた
- 現地民よりも圧倒的に強いスキルを持っている
- 苦難を乗り越えて道を切り開く
こんなテンプレート的な展開が多い感じですがどうでしょうね。
どうやって引きを持たせて続きを促すかが作者の手腕と言ったところ。
ただ、基本は3つの要素を満たしていれば70点の出来でも十分に効果は期待できます。
僕(とAI)が出した例も参考にしつつ皆さんが良いと思う構成を提示してみて下さい。
自分の手で作ることがとても大事になりますよ。
よくあるNGパターン / 僕も何度もやりました
Web小説に限らず創作全般で「NGです」という要素がいくつかあります。
僕自身も何度もやりましたね。
まず、
説明から始まってしまう

設定やスキル等を緻密に練った方に多い印象でしょうか??
第1話目をすべて設定等の説明に使ってしまうようなパターンですね。
読者の方々は物語を楽しみたくてその場に居ます。
設定を読みたい訳ではないのです。
作者側と読者側の作品に対する温度感の差ですね。
この部分は注意するようにしましょう。
(設定やスキル等は軽くサラッと流す程度で1話目はOKです)
次に、
テンポが遅い

コレも設定や描写の細かさに由来する部分ではありますね。
読者の方々は続きが読みたいのであって延々と続く停滞を見たい訳ではない。
こうした配慮を意識すると「話が逸れちゃった……」という事実に気づけると思います。
蛇足は本編がある程度進むまで少なめがベターでしょう。
まずはテンポ良くシナリオが進むことを心がけてみて下さい。
最後は、
感情が動かない

コレは要するに先ほどの3つの要素である事件・感情・問いの部分の感情の部分が弱いということです。
エモーショナルの部分で共感や同調が引き出せないと今後の続きも読んで貰えません。
主人公を苦境に立たせろ――という内容の発言が『ベストセラー小説の書き方』では記されていますが事実です。
ラクで余裕でダルンダルンの中で動くストーリーは波もなくオチもない並行の直線と変わりません。
スローライフ系やほのぼの系のストーリーでも事件や感情の動き(エモーショナル)は色々とあるもの。
スローライフの中で仲間の身に危険が迫る(ソレを主人公が無双して助ける)
ほのぼのした日常の中の些細なトラブル(バカ騒ぎの中でトラブルが自然と解決する)
世界観を壊さずシリアスに突っ込まなくてもやり方は無限大にあります。
試行錯誤しながらベストな落とし所を探ってみて下さいね。
AIと提示するジャンル別の導入部
ココまで色々と語ってきましたがこの世にジャンルは無限大です。
(注意:『小説家になろう』で掲載をするならジャンルは違えどテンプレートを外さないことが重要ですよ。成功の確率が段違いです)
ここから先は、
各ジャンルで1例として挙げる導入部のイメージ!!

コレをAIとの合作で提示していこうと思います(僕の時短の為です 笑)
こうした流れも使えそう――。
そんな発想の1つになったら嬉しいです。
【恋愛(ラブコメ)・青春系】
事件:親友が突然、主人公の秘密の恋心を暴く
感情:動揺と羞恥、過去の記憶が揺れる
問い:この関係は壊れるのか?それとも始まるのか?
「ねえ、あの人のこと、まだ好きなんでしょ?」
親友のその一言で、止めていた感情が一気に溢れ出した。
私は、何も答えられなかった。
【ファンタジー・異世界系】
事件:主人公が死に、異世界に転生する
感情:混乱と高揚、人生の再起への期待
問い:この世界で、俺は何者として生きるのか?
トラックに轢かれたはずの俺が目を覚ました場所は、空に浮かぶ城の前だった。
「ようこそ、選ばれし者よ」
銀髪の女神が微笑んだ瞬間、俺の人生は再起動した。
【ミステリー・サスペンス系】
事件:失踪した妹の部屋から声が聞こえる
感情:恐怖と疑念、過去の記憶がざわめく
問い:妹は戻ったのか?それとも何かが狂っているのか?
午前3時。誰もいないはずの隣室から「おかえり」と声がした。
その部屋には、昨日失踪した妹が住んでいた。
俺は、息を止めたまま、ドアノブに手をかけた。
【日常・ほのぼの系】
事件:猫が新聞を読んでいる
感情:驚きと微笑ましさ、日常のズレへの好奇心
問い:この猫は何者?この日常はどこへ向かう?
朝起きると、猫が俺の布団の上で新聞を読んでいた。
「今日の天気は晴れだニャ」
ページをめくる音が、やけにリアルだった。
【SF・ディストピア系】
事件:感情が法律で禁止された世界で、主人公が“悲しみ”を口にする
感情:抑圧と違和感、内なる反抗心
問い:この社会に感情は必要ないのか?それとも、壊すべきなのか?
2035年、人類は「感情」を法律で禁止した。
僕は今日、初めて「悲しい」と言った。
その瞬間、部屋のセンサーが赤く点滅した。
こうやって見るとジャンルごとに色々な切り出し方があるなーっと改めて思いますよね。
そのジャンルにはそのジャンルに合った魅力的なテーマというものがあります。
ちなみに、ネット小説(Web小説)では圧倒的に異世界転生・異世界転移・学園ラブコメがシェア率を獲得していますね。
コレを外すと成功の可能性がグッと下がる――。
こう言い切っても良いのではないでしょうか??
読者の方々はテンプレ系の王道的な(ある種の量産的な)作品を大量に求めているもの。
今、
Web小説として成功を求めるなら??

この疑問には、
絶対に異世界は外さない方が良い。現実なら恋愛は絡めましょう。

こう答えると思います。
僕は純文学をネット小説で書き続けて大失敗をした側の人間なので。
あまり同じ苦労は味わって欲しくないな~……っと。
ただ、我が道を切り開くという方は挑戦という意味でネット小説で別ジャンルを選ぶのもアリでしょう。
(その場合はエブリスタが良いと思います)

逆に王道的テンプレートを描くなら『小説家になろう』か『カクヨム』でバッチリだと思います。
アルファポリスも良いですね。
最近だと、

2025年6月に登場したばかりの小説投稿サイト『Caita』もありますよ。
CaitaはAIと一緒に小説を書いて投稿して収益を得つつ展開していこう――。
新しい時代と試みのサービスですね。
詳しくは↑の記事の中で解説しているので参考にしてみて下さい。
まとめ / この先はロードマップへGOです!!
いかがでしょうか?
今回は「Web小説の始め方③ | 最初の1話で読者の心をつかむ方法」をテーマに記事を書いてみました。
① ジャンル選びから始まって② プロットからの今回で最後の③という形でした。
後の先は「1話目で掴んだ感触を手に書き続けていく」というフェーズです。
土台となるプロットを中心に大きく外れないようにしっかり書いて行くこと。
コレが大事です。
また、

コチラの方では僕が長年培ってきた小説の技術を広ーく公開しています。
ロードマップに関しては初心者から中級者以上の方々でも使える情報があると思いますし。
是非、コチラも活用してみて下さいね。
いつの日か貴方が書いた小説が巡り巡って僕のところに届く――。
なんて日を楽しみにしています。
ご精読ありがとうございましたっ。
ではではー!!